印刷物制作の落とし穴を防ぐ!チェックポイントを徹底解説

印刷物制作は、印刷データの準備や印刷会社への依頼、納品確認など、さまざまな工程があり、一つでもミスをすると、印刷物が台無しになってしまう可能性があります。刷り直しの場合、追加費用や納期遅延が発生してしまうため、本来、売上を上げることができる機会を失ってしまいます。

印刷物制作の流れと、チェックポイントの重要性について説明します。

1. 印刷物制作の流れ

印刷物制作の流れは、大きく分けて以下の3つです。

  • 印刷データ作成
  • 印刷会社への依頼
  • 納品確認

印刷データ作成

印刷データ作成では、印刷物の内容やデザインを決め、印刷に必要なデータ形式(入稿形式)で作成します。この際には、以下の点に注意しましょう。

  • 印刷物の用途や目的に合ったデータ形式で作成する。
  • 誤字脱字やレイアウトのミスがないか、必ず確認する。
  • 画像やイラストは、解像度や色域を確認する。

※色域とは人間の目で認識可能な色の範囲(可視領域)の中で、特定の色の範囲を定めたもの。パソコンでは色をRGB(レッド・グリーン・ブルー)で表現するのに対して、印刷物はCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)で表現されます。RGBで作成されたデータはCMYKに変換しないと、想定していた色と違う色に刷り上がる可能性があります。

制作会社にデザイン制作を依頼する場合は、デザインの提案・提出→修正やり取り→デザイン完成の順に進みます。制作スケジュールは仕様によって違いますが、約1週間~1ヶ月かかります。自社で印刷データを作成する際は、印刷会社によってOfficeデータ入稿(Word、PowerPointで制作したデータ)でも印刷が可能です。入稿データ用のテンプレートがある場合は、印刷会社から送ってもらいましょう。作業が効率的に進みます。

印刷会社への依頼

印刷データの作成が完成後、印刷会社へ依頼します。この際には、以下の点を確認しましょう。

印刷会社の品質や価格を比較する

印刷会社を検討する際は、印刷の品質や価格を基準に数社検討してみましょう。

納期やオプションサービスを確認する

印刷物の納品日を決め、納期を確認しましょう。チラシやパンフレットなど印刷媒体の種類やページ数、加工によって納期が異なります。余裕を持ってスケジュールを作成しましょう。印刷後、ポスティングや折込みが必要な場合は、印刷会社に依頼できます。依頼先が複数社になってしまうと、やり取りや管理が複雑になってしまう場合がありますので確認しましょう。

印刷物の仕様や色校正の要否を明確にする

仕様をうまく伝えることができず自信がない場合は、以前作成した物があれば印刷会社の担当者に見てもらいましょう。仕様が明確になりますのでやり取りがスムーズです。何度もお願いしている印刷会社では実物と印刷物で色が再現されているかわかりますが、初めて依頼する印刷会社では色校正を行いましょう。

納品確認

印刷会社から納品された印刷物は、必ず内容や品質を確認しましょう。この際には、以下の点を確認しましょう。

  • 印刷物の内容やデザインが、印刷データと一致しているか。
  • 誤字脱字やレイアウトのミスがないか。絵柄が切れていないか。
  • 色校正を依頼していた場合は、色味が正しく再現されているか。

2. 基本チェックポイント

印刷物制作の基本チェックポイントは、以下の3つです。

印刷データのチェック

印刷データ作成の際に、誤字脱字やレイアウトのミスがないか必ず確認します。画像やイラストは、解像度や色域を確認して、印刷に適したデータ形式で作成しましょう。イラストレーターで作成の場合、アウトライン済みのデータを送ってください。画像のリンクが外れていることも多いので、入稿前にチェックしてください。

印刷会社への依頼

入稿日

入稿日は、印刷会社に印刷データを送る締め切り日です。データが到着し、不備がなければ、入稿日とみなされます。ただし、データに不備があった場合は、入稿日とみなされず、納品日が遅れる可能性があります。

確認用PDF

入稿時に印刷データと確認用PDFを印刷会社に一緒に送ることをおすすめします。印刷会社は印刷進行前に、確認用PDFとデータが合っているか確認します。少しでも異なる点がある場合は、印刷をストップしてくれるので安心です。

印刷物の仕様間違い

印刷物の仕様間違いで多いのは、用紙の種類や厚さ、折り加工のミス(山折り・谷折りや表紙指定の間違い)になります。印刷前に印刷会社とやり取りをしましょう。

誤字脱字チェック

誤字脱字チェックは声に出して確認しましょう。黙読では気が付かなかったミス防止につながります。第三者に確認してもらうのも良いです。自分だけで制作や確認をしていると、デザインを見慣れてしまうため違和感がなくなってしまいます。第三者が初めて見ることで、自分では気が付かなかった点を指摘してくれます。

納品確認

印刷不備があった場合は、残念ですが刷り直しを検討します。間違った内容の印刷物がお客様の手元に届いてしまうと、追加の印刷コストがかかってしまうだけではなく、積み上げてきた信頼も失ってしまいます。

3. 応用チェックポイント

印刷物制作の応用チェックポイントは、以下の3つです。

色校正のチェック

色校正を依頼した場合は、色味が正しく再現されているか確認しましょう。商品の実際の色と異なる場合は、CMYKの割合を変更するなど、可能な限り実物の色に近づけましょう。

製本・加工のチェック

折り目や製本、箔押しなどの加工を行う場合は、仕上がりがイメージ通りになっているか確認します。折り加工のミスを防ぐために、社内のコピー機で出力し、実際に折ったものをPDFで印刷会社に送りましょう。口頭やりとりではなくメールで送ることで、お互いの相違がなくなり、印刷トラブルの防止につながります。

コストのチェック

印刷物は、部数や紙質、印刷方法などによって、コストが大きく異なります。事前に見積もりを取るなど、予算内で制作できるかどうか、確認しましょう。

4.まとめ

印刷物制作のチェックポイントを押さえることで、失敗を防ぎ、期待通りの印刷物に仕上げることができます。ターゲット層や目的に合わせて、必要なチェックポイントを押さえるようにしましょう。